A03 希望納期を細かく調整し価格を抑える!急ぎ図面と後回し図面の分け方
はじめに:価格を抑えたい方がまず考えるべき「納期の工夫」
「できるだけ安くCADトレースを依頼したい」
そんなご相談をよくいただきます。
実は、“希望納期の分け方”をちょっと工夫するだけで、価格を抑えることができるのをご存じでしょうか?
今回は、価格と品質を両立するための「希望納期調整術」をご紹介します。
急ぎ対応はなぜ高くなるのか?
急ぎ対応は通常価格より2割ほど高くなることもあり、驚かれることがあります。実は次のような理由で割高になります:
- 担当者のスケジュールを再調整して優先的に対応
- 夜間・土日・休日作業の発生
- 工期短縮による確認ミス・再対応のリスク
つまり、急ぎであればあるほど、余分なコストが発生しやすいことがお分かりいただけるかと思います。
希望納期の調整で得られる3つのメリットとは

1. 単価(工数)を抑えられる
急ぎ以外の図面は、納期に合わせて担当者の予定が埋まっていくことになります。納期に余裕があれば、担当者のスケジュールを無理なく調整できるため、
割増料金が発生しにくくなります。
2. 担当者を固定できる(品質安定)
納期を複数日に分けることは、同じ担当者が継続して作業できる可能性が高まり、
ルールや意図のズレが起こりにくくなります。
3. チェックや修正にも余裕ができる
急ぎ作業は時間との戦いとなります。そこでどうしてもミスが発生しやすくなります。
納期に余裕があれば、全工程を確認してから取り掛かることができます。また不明点、注意点などの確認や修正も余裕をもって落ち着いて対応できます。
依頼図面、必要図面の“納期の順番付け”のススメ
よくあるケースですが、実際の案件では、すべての図面が「今すぐ必要」というケースは数えるほどしかありません。
多くの場合:
- 「明日までに必要な図面」
- 「1週間後でOKな図面」
- 「図面の一部だけが必要な図面」
- 「とりあえず検収時にあればよい図面」
などが混在しています。
まずは 依頼図面を俯瞰し、納期ごとに分類して順番を決め、それに基づいた依頼をすることで、見積価格に差を出すことができ、結果的に費用を抑えることにつながります。
→ 関連記事:必要な部分だけ外注する方法(A-04)
あなたが依頼前にやるべき準備と伝え方
▸ 納期リストの作成(例:Excel)
図面名 | 使用目的 | 希望納期 | 優先度 |
---|---|---|---|
A-101 | 設備設計用 | 5月21日 | ★ 必須 |
A-102 | 確認用 | 5月末 | ● 通常 |
A-103 | 保管用 | 6月中 | △ 予備 |
▸ 伝え方の工夫
- 「★は最優先。●と△は時間があるので、空き状況で調整可能」
- 「△はまず見積だけお願いしたい」
- 「追加分は来月以降まとめて依頼する予定です」
このように伝えることで、当社で作業計画を立てやすくなり、その結果として価格調整がしやすくなります。
まとめ:希望納期をすこしずらすだけで、価格が変わることがある
急ぎの図面は最優先で、通常の図面は〇日までで効率よく。
この分け方にひと手間加えることで、同じ品質・同じ業者でも、価格に大きな差が出ます。
もちろん、繁忙期(特に長期休暇前や、期の変わり目)では、これらが有効に働くことは難しいですが、それも踏まえて、日程にどれだけ余裕を持てるかを考えることが大切です。
コスト削減を検討中の方は、まず「図面の使うタイミング」を見直してみてください。
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